ソーシャルレンディング会社のひとつであるLENDEX(レンデックス)において、2019年3月1日(金)社長の変更に関するニュースが発信されました。
ソーシャルレンディング業界の各社が数々の行政処分などの問題を起こし投資家から訴訟を受ける会社も出ている中、レンデックスはこれまで大きな問題を発生させたことはありません。
そのような状況下で、なぜレンデックスは代表者の交代を行ったのでしょうか?
その背景を見ながら、影響について考えてみましょう。
LENDEX(レンデックス)は2019/3/1に突如社長の変更を発表
LENDEX(レンデックス)では、ホームページ及び投資家へのメール配信にて、2019年3月1日(金)に社長(代表者)の変更を行った旨を伝達しました。
創業者であり前社長である「筧越生氏」から、財務省出身というキャリアを持つ「田川徳彦氏」に社長が交代したのです。
これまで大きな問題を起こしていないレンデックスですが、社長交代という事態は社内で何らかの事情があったことが推察されます。
また、官公庁出身者を社長に就任させたことも、大きな波紋を呼んでいます。
翌日LENDEX(レンデックス)は社長変更の理由を表明
投資家からLENDEX(レンデックス)に対してなぜこのタイミングで社長の変更を行ったのか多くの問い合わせがあったようです。
社長の変更を発表した翌日の2019年3月2日(土)には、早速以下のように社長変更に関する発表が行われました。
平素はLENDEXをご利用いただき、誠にありがとうございます。
先日発表いたしました代表者変更の背景についてお知らせいたします。
弊社は平成29年7月にソーシャルレンディング事業を開始し、皆様のご支持を得て事業を成長軌道に乗せることができました。誠に感謝御礼申し上げます。
筧前社長は会計専門家としての会計ビジネスに加えて当社のソーシャルレンディング事業に尽力してきましたが、会計ビジネスが多忙になってきたことから、兼業していくことが困難な状況になり、この度代表者を辞任いたしました。なお、筧前社長は弊社の管理部長として、引き続き業務を支えます。
今後の長期的な発展のためには、組織体制をさらに整備・強化していく必要があり、財務省における財政金融行政経験等を通じて、コーポレートガバナンスやコンプライアンスに知見を有する、田川氏を迎えることになりました。
皆様のご理解とご協力を何卒宜しく申し上げます。
まず評価できる点は、LENDEX(レンデックス)の対応の速さでしょう。
投資家の不安を解消し、迅速な解決を図ろうという姿勢が見えます。
返済遅延を発生させておきながら、何かと対応の悪いソーシャルレンディング会社が多い中で、LENDEX(レンデックス)の速やかな対応はひとつの評価ポイントです。
LENDEX(レンデックス)はメールへの返信や入金・出金の速さなどが、評価されているソーシャルレンディング会社です。
社員数は6名と少ないものの、組織のスリムさが逆にこういった対応の速さに影響しているのでしょう。
ポイントは新社長が金融庁出身であること
LENDEX(レンデックス)の社長として新しく就任した田川徳彦氏ですが、キャリアを見ると財務省といった官公庁出身となっています。
残念ながら、インターネットで田川氏の名前を検索しても、具体的にどのような業務に携わってきたかは明らかになりません。
略歴は以下のようになっています。
- 1960年生まれ。中央大学法学部法律学科卒業。
- 1984年4月大蔵省入省
- 1994年3月金属鉱業事業団キャンベラ事務所副所⻑
- 2001年7月総務省行政管理局副管理官
- 2013年7月財務省国際局調査課為替実査室⻑
- 2015年7月財務省預金保険機構検査部審理役
- 2017年1月退官
今年2019年で59歳となります。
定年前の57歳で財務省を退官しています。
大蔵省に入省してから、総務省・財務省を歴任しており、金融関係においてはまさにプロといえるキャリアを持った人間であることは間違いありません。
そこで、LENDEX(レンデックス)に問い合わせてみたところ、田川氏は以下のような経験があることが分かってきました。
田川氏は、財務省の役人として多くの金融機関・投資関係の会社に検査立ち入りなどを行っていました。
自身がそういった立場であるからこそ、LENDEX(レンデックス)がどのように監視を始める体制を強化すべきなのか、行政処分を受けて投資家に不安を与えないようLENDEX(レンデックス)を運営をして行くために、内部を外部両方での監査運営を強化したいとしています。
レンデックスは6名と非常に小さな会社ですが、会社組織を強化するために、兼任社長であった筧氏ではなく、専任社長である田川氏を迎えたということです。
筧悦生氏はなぜ退任したのか
一方、LENDEX(レンデックス)創業者である筧氏はなぜ退任したのでしょうか?
LENDEX(レンデックス)は退任の理由を、「会計関係の仕事に専念するため」としています。
また、同時に管理部長としてはLENDEX(レンデックス)に席を残すとしています。
筧氏のインタビューなどを読んでみると、レンデックスの社長兼オーナーであることがわかります。
つまり、オーナーとしての筧氏は会社に影響力を持ち、業務をサポートしていく。
そして、田川氏が業務に慣れてたところで本業に専念すると考えられそうです。
筧氏は、RSM清和監査法人という監査法人の創業者です。
行政処分を受け代表を退任しましたが、現在も清和監査法人には携わっています。
今後、筧氏はLENDEX(レンデックス)に対してオーナーとして関与していくスタンスが強くなると考えられそうです。
田川氏がLENDEX(レンデックス)を今後どのようにしていくのか、インタビュー記事の掲載などが望まれるところです。