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【速報】クラウドクレジットでついに匿名化解除案件
2019年5月17日(金)、海外案件を取り扱うクラウドクレジットで、ついに匿名化解除について具体的な発表がありました。
2019年5月16日(木)に情報開示対応開始を発表したSBIソーシャルレンディングに続き、人気事業者のクラウドクレジットでもうれしい速報です!
出典:「当社の貸付先匿名化解除に関わる情報公開の方針につきまして」(クラウドクレジット)
まず「貸付先匿名化解除」とは、ソーシャルレンディングにおいて、資金の借り手企業情報を匿名にしなければいけない「匿名化の決まり」が解除になったことを指します。
金融庁から匿名化の解除方針が発表されたのは2019年3月18日(月)ですので、その後2ヶ月を経てようやくクラウドクレジットから正式な発表があったということです。
クラウドクレジットの杉山智行社長は、かねてから「借り手企業の匿名化解除は大歓迎。まっとうな事業者はかねてから匿名化に反対してきた」と発言されていたので、ようやく公式発表できる準備が整ったのでしょう。
クラウドクレジットの匿名化解除の発表内容をお知らせするともに、改めて同社の評判や口コミについてお伝えしていきましょう。
クラウドクレジットの匿名化解除に関する発表の詳細
クラウドクレジットの匿名化解除に関する発表では、情報公開の方針と今後の流れについて記載されていました。
クラウドクレジットの情報公開方針
- クラウドクレジット社の新規および既存の貸付先(資金の借り手企業)情報は原則として、実名・財務情報を含む基本情報を公開する
もし例外的に貸付先を匿名とする場合は、その旨およびその理由について明記する - 上記情報公開については、クラウドクレジット社のファンド一覧内のファンドごとの各ページおよび法定書面(契約締結前交付書面など)をもって行う
情報公開に対する今後の流れ
現在、クラウドクレジット社では上記の情報公開方針に基づき、
- クラウドクレジット社の取引約款および匿名組合契約書など、法定書面の条件変更や関連する手続き
- 既存貸付先企業からの情報公開に関する同意の取得およびそれに関連する手続き
の対応を行っています。
手続きなどの対応が完了次第、順次既存および新規の貸付先の情報を公開することになります。
出典:「当社の貸付先匿名化解除に関わる情報公開の方針につきまして」(クラウドクレジット)
杉山社長の過去の発言どおり、原則借り手企業の実名や財務情報を含む基本情報が公開されることになりました。
ただ、すでに情報公開対応の準備をすませたSBIソーシャルレンディングと違い、クラウドクレジットはまだ対応準備中とのこと。
さまざまな国の案件があるため、国内よりも手続きや対応に時間がかかるのかもしれません。
クラウドクレジットの借り手企業は海外の新興国企業が中心です。
そのため、実名と財務情報以外の情報がどれだけ詳細に公開されるかが投資をするうえで肝になってきます。
ただ、杉山社長の方針や発言を聞いている限りでは、すでに情報開示に踏み切っている大手クラウドバンク並みの詳細な情報を開示してくれるのではないでしょうか。
今後は、借り手企業をゲストに迎えたセミナーの開催も予定されているそうで、情報公開の準備が整うのが楽しみです。
今までのソーシャルレンディング投資では、匿名化が投資をするうえで大きな足かせになっていました。
匿名化を利用して詐欺まがいの資金流用を行う事業者もいて、大きな問題にも発展しました。
しかし、今回の金融庁の匿名化解除によりこうして借り手企業情報の公開がされたり、借り手企業と触れる機会が出てきたりすれば、ソーシャルレンディング業界のありかたも少しずつ良い方向に変わるのではないでしょうか。
クラウドクレジットの特徴とメリット・デメリット
借り手企業の情報公開方針を発表したクラウドクレジット。
同社の評判などが気になりますよね!
今回の発表を機に、クラウドクレジットへの投資を考えている人もいるでしょう。
まずは同社の特徴と投資をする際のメリット・デメリットを解説していきます。
クラウドクレジットの特徴
- 1万円から投資できる
- 資金需要が旺盛な海外の新興国へ投資できる
- 比較的利回りの高い案件・ファンドが多い
- 過去に元本割れや遅延が起きており、リスクは高め
- 円建てからドル建て、ユーロ建てなど、さまざまな国の通貨で投資できる
- 伊藤忠商事や第一生命保険株式会社など、名だたる大手企業が出資者(株主)になっている
- 顔が見える経営をしており、社長自ら積極的にブログやTwitterなど各メディアで情報を発信している
- 社長自ら不定期にセミナーを実施している
- テレビ東京「ガイアの夜明け」にて同社が紹介されたことがあり、一般的にも知名度がある
- 企業の透明性を重視しているため、過去の元本割れ実績などリスクを隠さず公表している
- 「世界に貢献する投資」という理念や投資哲学、杉山社長を支持する投資家が多い
クラウドクレジットは、海外案件を専門に取り扱うソーシャルレンディング事業者です。
今までの累計出資額は、2019年5月時点で190億円超。
最大手のmaneo(1600億円超)やSBIソーシャルレンディング(700億円超)にはまだ及びませんが、テレビへの出演やメディアへの露出などもあり、着実に実績を積み上げてきている人気事業者と言えます。
同社では、過去に案件の遅延や元本割れが発生しており、利回りが高い反面リスクが高い案件・ファンドも多いのが特徴です。
ただ、マイナスイメージにしかならない元本割れ実績を会社のHPトップに大きく記載する潔い事業者でもあります。
▼クラウドクレジットの公式HPトップ▼
画像引用元:クラウドクレジット(CrowdCredit)
公式ホームページのトップで、元本割れ件数を堂々と書いている事業者はなかなかありません。
こうした「リスクは包み隠さず伝える」姿勢が、投資家から人気を集めている理由なのでしょう。
クラウドクレジットの特徴をふまえたうえで、投資時にどのような点がメリット・デメリットになるのかについてお伝えしましょう。
投資時のメリット
クラウドクレジットで投資する際のメリットには、次のようなものがあります。
- 1万円から海外投資できる
- 利回りが高い案件が多い
- ファンドの募集件数が多いので、好きなタイミングで投資しやすい(クリック競争がない)
- 案件に独自性があり、他のソーシャルレンディング事業者と重複しない
- 社会貢献につながる投資ができる
- 伊藤忠商事など大手企業が株主のため、社会的信用力が高い
- 社長がブログやTwitter、書籍などで情報発信している
- 不定期にセミナーが開催されている
クラウドクレジットの特徴でもお伝えしたように、メリットは海外の成長企業を支えられる投資案件の独自性や、大手企業と資本関係にある事業者としての信用力にあります。
いま営業活動しているソーシャルレンディング事業者の多くは、国内の案件を取り扱っており、投資対象は不動産が多いです。
以前は、アメリカの不動産を対象にしていたガイアファンディングやアメリカンファンディングという事業者もありましたが、今は2社とも新規募集停止状態です。
海外に投資できるソーシャルレンディング事業者は少ないのです。
「ソーシャルレンディングを始めたけど、投資先の案件が偏っているので、独自の案件や海外案件にも投資したい人」「事業者の信用力を重視したい人」「利回りが高い案件に投資したい人」には、クラウドクレジットでの投資はメリットが多いと言えるでしょう。
投資時のデメリット
クラウドクレジットで投資する際のデメリットには、次のようなことがあります。
- 遅延や元本割れのリスクが比較的高い(2019年5月時点で償還時元本割れ件数22件、元本割れ率約10%)
- 為替リスクがある。為替ヘッジできる案件もあるが、ヘッジ付き案件はその分利回りが低くなってしまう
- 借り手企業情報が公開されても、海外企業なのでリスクなどがわかりにくい可能性がある
→財務情報は公開される予定だが、そのほかどのような基本情報が公開されるのかはまだ未定。
クラウドクレジットは、海外の独自案件へ投資できることがメリットですが、裏を返せば「日本ではない、よくわからない国の案件に投資する」ということです。
国内の不動産に投資できるソーシャルレンディング事業者の場合、不動産の立地を見て担保評価は適正かなど考えることもできるでしょうが、発展途上の新興国案件の場合はそうはいきませんよね。
今後、借り手企業の情報が公開されても、国内案件と比べて海外案件は「わからないことが多いのがリスク」と言えます。
また、海外投資には為替リスクも付き物です。
為替リスクをヘッジしようとすれば、その分利回りが低下するという難点もあります。
クラウドクレジットへの投資はメリットも大きい反面、さまざまなデメリットがあります。
国内案件中心の事業者と比べて、「難しくてよくわからない」「どこへ投資すれば良いかわからない」と思う人もいるでしょう。
匿名化解除の発表で改めてクラウドクレジットに興味を持った人は、メリット・デメリット両方を鑑みたうえで投資するかどうかを検討してください。
クラウドクレジットの評判・口コミ
クラウドクレジットの評判や口コミはどうなっているのでしょうか?
会社に対する評判、社長に対する評判について解説していきましょう。
事業者としての評判・口コミ
- 伊藤忠など大手企業との資本関係は信頼できるポイント
- 元本割れ実績も含め情報公開における姿勢は評価できる
- ファンドの優劣がありすぎるため、投資する気にはならない
- 元本割れ率が高い(2019年5月時点で10%)し、遅延もたびたび起きているのが気になる
- リスクが高いため、メインの投資先ではなく、幅広く分散投資するうえで少しだけチョイスしておくくらいで良い
杉山社長の評判
- ブログやTwitterなどで有益な情報発信が多いので助かるが、最近セミナーが少ないのが気になる
- 発言や投資の姿勢が首尾一貫している点は評価できる
- 大手事業者からの資金調達を成功させた手腕、経歴に怪しい点がないので信用できる
- もう謝罪済みだが、過去にTwitterで一般投資家に暴言吐いたときは正直引いた
クラウドクレジットも杉山社長自身も、おおむね好意的な評判・口コミが多くなっています。
ただ、杉山社長が2018年にTwitter上で一般の投資家に対して暴言ともいえる発言をしたときのことを覚えている投資家もいるみたいで、なんとなく好きではないという意見もあります。
杉山社長の詳しい経歴・投資哲学やクラウドクレジットにかける思いについては、最近発売された著書を見ることがおすすめです。
どんな事業者でも、100パーセント評判が良いということはありえません。
良い意見も悪い意見も、客観的な視点でしっかり確認したうえで、最終的に投資するかどうかの判断は自分自身の投資方針に基づき行うことが大切です。
まとめ
匿名化解除について発表があったクラウドクレジットの特徴や評判・口コミに関する情報をお伝えしてきました。
重要なポイントは、次の4点です。
- クラウドクレジットは少額から海外投資でき、案件の独自性や事業者の信用力に定評がある
- 一方で為替リスクや元本割れリスクなどもある
- 事業者も社長も投資家からの評判はおおむね良いが、リスクの高さを嫌う声は一定数ある
- 匿名先解除により、今後クラウドクレジットでは原則借り手企業の実名と財務情報が公開される
投資は、あくまで自己責任です。
いくら評判が良い事業者でも貸し倒れ・元本割れリスクはありますし、リスクをゼロにすることはできません。
ソーシャルレンディング投資の際はリスクをどこまで許容できるのかを改めて考え、どのような方針で投資するのか明確にしたうえで自分に適した事業者・案件を選ぶようにしてください。